昨日、例年通り八戸窯も出店しているので有田陶器市に赴いたのですが、空いた時間でいろいろ店を回っているうち、一件アンティークショップが開いているのを発見したのです。
通例、有田陶器市期間中は陶磁器店や公共機関、金融機関以外の店舗は閉めているか、陶器市の会場に様変わりしているのに、そのショップだけは通常営業していました。もちろん私が飛び込まないわけには行かず、陳列棚を物色していたところ上の写真にある二点に目が留まったのです。
最初は右にある、アンティークのナンバースタンプを見つけました。最近は書類関係を全部パソコン作成で処理しているので、ナンバリングぐらいアナログでやったら面白いだろう、と安価だし気軽に手にしてその左の棚に目をやると、上写真の左にある紙製の円筒が置いてあったのです。
よく見ると「EDISON RECORD」と書いてあり、その左にはあの発明王、トーマス・エジソンの顔写真がプリントされているではないですか!
まさかもしや、これはエジソンが発明した最初の型の円筒形レコードでは、とおそるおそる蓋を開けて中身を取り出すと、下の写真の右に写る青いプラスチックの筒が納まっていました。
画像ではわかりにくいですが、胴の部分にちゃんと溝が刻んであります。これできちんと音が出れば、このレコード部が本物である可能性は高いのですが、今これを再生できる機材は手持ちにないどころか日本でも少ないでしょう。「大人の科学」で出ているエジソン蓄音機を使えばひょっとしたら確かめられそうな気がしますが、現物であれば材質がもろくなっているかも知れず、今のところ確認は出来ません。ちなみに、ロットナンバーの次に刻印されている「I LOVE THE LADIES.」が曲名で、その次のKAUFMANがアーティスト名と推測されます。続けて読むと、なかなか意味深ですね(ドイツ語の解釈も混じってますが)。
それと恐らく、パッケージの方は本物ではないかと思われます。エジソンと言えばパテント(商標)の鬼でもありますから。もしこれが偽物としても、ここまで細かい仕事をしているのでその当時に作られた、エジソン人気にあやかった精巧なパチモノあたりでしょうから、値段も¥3500だったしさし当たっては購入を延ばして考えることにして、店を出たのです。
しかし店を出て少し経つと不安に襲われ、一見してこれが何であるのか日本人の九割がまずわからない、とは思いつつ、ひょっとすると目の効くヤツが陶器市ついでに持ってってしまうかも、と頭が至った時にちょうど佐賀銀行が目に飛び込んできて、即行ATMで下ろして買ってしまいました。
考えてみればエジソンは映画の父のひとり(さまざまな人物が開発競争に関わっているので、発明者を特定できないのです)であり、本人はこれとエジソン社製フィルムを使って開発当初からトーキーまで作ろうとしていたので、縁が薄いどころか大有りだろうと、まあ過程は早まったにしろ手に入れてよかったと感じています。
こればかりだと有田陶器市成分が少ないので、下にその模様の写真を貼っておきます。では。